# ennui
寝返りを打てばくるりと廻る部屋このコスモスにわれは生きをり
狭い部屋で寝ている。寝返りを打つと眩暈がする。ボクは三半規管がおかしいので、
ときどき眩暈がする。場合によっては、寝返りをするだけでくるくる目が廻るのだ。
うた屑の切れつ端だけ噛みつぶしごろ寝してをり気だるき晝を
歌が詠めない日はせめて5音や7音の歌の断片でも書いてみる。
調子が悪いとろくな言葉も出てこない。
青きまま萎びてゆける梅の実にそと指觸れぬ霧雨の庭
坂上る乙女の右の肩に留まる小人(こびと)よ今日はどこまで行くや
ボクが坂を下りて行くと坂の下から若い女性が上がってくる。
ボクの目には、なんだか彼女の肩に愁ひのこびとが留まつているやうに見える。
わが背にも負ぶひてゐたる時ありき孤独と言ふ名の痩せたる小人
次の2首は掲載してもらえなかったもの。
虹靄(にじもや)の身にひろがれる六月の荒れたる庭にねぢ花は立つ
磨り硝子の透ける向かふに佇つ影は背を向け去りしひとに似て憂し
2011年11月09日
「潮音」2011年8月号出詠分
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