2006年09月02日

題詠100首【002:指】の推敲

題詠100首 【002:指】を検討していきたいと思います。

もともと、この作は十数年前の連作中の一首なんです。
題「指」の作品が、なかなかできなかったので困った挙句、旧作を引っ張り出してきたってわけです。題詠100首としては少しズルイやり方です。
以前の連作ではこの歌の前に、次の歌を置いていました。
細い手指の色白の女性が額に汗しながら轆轤(ろくろ)を回している。その姿を詠んだものです。
       
流れ出る汗もぬぐはず土塊(つちくれ)をひたと見つめて轆轤にかかる

この後に続く連作なので印象が強くなるのかな? と今思うのですが・・・。

【002:指】 いと白き細き指にて持ちあぐる轆轤の上の信楽の土
 

どうもこれ一首だけをとりだすと弱くなる感じです。また欠点もより見えてくるようです。
そこで、次のような推敲を始めました、いくつか改作を試みます。

                                           2sigaraki.jpg       
                          

まず、第2句から第3句の「…にて持ちあぐる」、この場合の格助詞「にて」は「もて」(以て)のほうが、つながりがスムーズのようです。

それから「持ちあぐる」、作陶では轆轤から土を持ちあげるのではなくて、指でつまんで引っ張り上げるのですよね。

で、まずは次のようにしてみます。

・改作1  いと白き細き指もて引きあぐる轆轤の上の信楽の土
・同2   いと白き細き指もて引きあぐる信楽の土かたち変へゆく

としましたが、どうも頭の「いと…」 というのがキザっぽくて嫌なので、これもとることにします。

そこで〜〜

・同3   引きあげし轆轤の上の信楽の土を壷へと変へて行く指
・同4   白き指しならせ引きし信楽の土生き生きと壷になりゆく
・同5   白き指しなりて土は引かれゆき鶴首の瓶かたち成しゆく
                                                          
*瓶→へい
・同6   白き指そらせて土を引きあげぬ轆轤回せば瓶となりゆく
・同7   いと白きほそき指もて引かれゐる轆轤の上の土ぞともしき
・同8   しならせて土引きあぐるひとの手のその白き指思へばかなしき

3〜8まで詠まれている主体が少しずつ違っています。
3は指、4は信楽の土、5は鶴首の瓶、6は作陶の作者、
7は土を羨ましがるJoeでここは「いと」を使ってもいいかな?
8は作陶の現場でなくその場を回想しているJoeの姿です。

なお、3と4は現実に見た信楽の土→壷ですが、
5と6の場合は細くデリケートな白磁の鶴首瓶で、この場面設定は想像です。


さてこうなると、どれがいいのか判断がつきません。
自分で好きなのは7かな?ちょっぴりユーモアもあって、かの作陶家への思いもある。
8の「かなしき」は「愛しき」、これは感情過多かなとも思います。

ご意見・ご批判いただければありがたいです。
添削してくださるようなら、なお嬉しいですね。



この記事へのコメント
僭越ながら・・・
細きと白きはどちらかでいいような気がします。
「瓶」とか「壺」と言ってしまうと、出来上がりの形の方に焦点が行ってしまうので、「いのち吹き込む」とかではダメかな。
ちょっとベタすぎますか(笑

Joeさんの気持ちを強く出したいのか、淡々と光景を詠みたいのかをまず決める必要があるのでは。
私は淡々と光景を詠むことで、逆に強い思いを表現してほしいと思いました。
ああ、なんて難しい注文・・・・
Posted by mako at 2006年09月05日 10:12
ありがとmakoさん! ご指摘よくわかりました。

1)散漫にならないように
2)物を写して気持ちを出す

・・ですね。

1)短歌はたった31音字しかないんですね。
散らないように努力します。

2)については、
万葉集の「物に寄せて思を陳ぶ歌」の心を
お手本にしてみます。難しいけれど・・・
Posted by 管理人Joe at 2006年09月06日 18:11
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