2010年11月20日

「潮音」新春20首詠2010年新年号掲載

    
  
  # 病みまさる妹
(いも) 
 
   
   
      IMG_0020.jpg    早いもので妻が亡くなってからもう1年8ヶ月になる、
                             今年新年の「潮音」20首詠には病中だった妻の事で出詠した。
                             新春にはふさわしからぬテーマではあつたが、昨年に続き準入選となつた。
                             選者の先生方に感謝・・               


 
 死の病言葉選びて告知せる医師の瞳もうるみてゐたり ※

 「ありがたうございました」と礼を言ふ癌告げられし妻の健気さ

 紅き花購ひてきて荒れ庭の真中に置けばそこだけが春

 咲き初むる梅の小枝を切り挿せばかすかな望み病室
(へや)にただよふ


 この身体ふはふは紙になつたよと妹目を閉じて呟いてゐる


 今日こそは髪を洗ふと云ひはりて立たむとすれど崩れたふれぬ ※


 ししむらの日ごと落ちゆく妹が背を洗へば小さきほくろ見つけぬ


 太太と浮腫みし脚をさすりやるかつては大根と笑ひしものを


 口にせる物おさまらず吐きもどすあれほど好きな寿司でありしに ※


 ひとくちの梅おにぎりを「おいひい…」と食みて眠れり童女の如く


 食細る妹の生命の長かれと身に落ちてゆくしろがねの玉


 ひと日ひと日声細りゆく妹に告ぐ汝(な)の誕生日十日のちぞと


 いのちとは何ぞと幾度も反芻し反芻しつつ朝をむかへぬ


 病みまさる妹の寝顔を見つめゐる過去へとたどる無量の時間


 病室の窓より見ゆる夕富士も影濃くなりぬ 暮れるな今日は ※


 あかあかと病室の窓ふち取りて落つる陽を見る妹は黙して ※


 落つる陽は明くればまたも昇り来む汝(なれ)が命も新たに来たれ


 いのち終ふる日のせまりくる病室に花見の旅のチラシ舞ひ込む ※


 おとろへて虚ろに見ゆる妹の目に花待ち月とはむごき月の名


 早く咲け今年の桜早く咲け 花待ち月を待ちてゐられず


  
 長らくサボつてゐるうちにもうあとひと月で今年も終る。
   今年発表の歌は今年中に載せとかないと・・と焦る。
   どうかご批判ください。

   残念ながら今年も準入選に留まつた。、
   ※の歌は選ばれなかったものだが、
   やはり選ばれないものでも愛着があり捨てられない。
   原稿通り記載しておく。

posted by 素浪人Joe at 02:56| Comment(1) | TrackBack(0) | 日々に詠ふ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
お久しぶりです。新しい掲載を待ってました。続々と続けて下さい。ご健闘期待してます。
Posted by ラマーレノーベル at 2010年11月22日 14:15
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