2008年09月14日

☆2008年度 題詠100首のまとめ(その1)

詠み終つた2008年題詠100首の総集編です。
まだまだ推敲をしなければと思ふのですが、とりあへずまとめておきませう。



【001:おはよう】
    おはやうと声かけてくるみちのべのイヌノフグリの青のやさしさ
【002:次】
    次はもうないと思ひぬ春の野に切なさをこめ笑顔贈れば 
【003:理由】
    何といふ理由もなくて涙せり歳のせゐだと思ひたくなけれど
【004:塩】 
    減塩の食事に慣れて久しかり涙の味も薄きこの頃
【005:放】 
    意図もなく放たれし矢がわが胸にグサリと立ちぬ射手は笑まへど
【006:ドラマ】
     人生はドラマなどとふ気障なこととても言へざり裏方のわれは
【007:壁】
    手を触れて滑らせてゆく長き壁どこまでゆけば果てるものやら
【008:守】
      そのかみの小さな悪事はなつかしき 路面電車の薩摩守よ
【009:会話】
    老い人の会話途絶えし一刻
(ひととき)の想ひは粟の煮ゆる間なりし
【010:蝶】 
    蝶と舞ひ蜂と刺したるボクサーもありき 昭和の真盛りなりき
【011: 除】
       今年から配偶者控除はないといふ友の目を見ず杯を差す
【012: ダイヤ】
    「ダイヤ菊」とふ名前の地酒飲んだなと思ひだしをり酔ひ醒めの朝
【013: 優】
   一年生「優」のハンコに笑みてゐる桜の中の「よくできました」
【014: 泉】
   うま酒に酔ひて寝し夜の夢のなか泉のごとく歌わき出づる
【015:アジア 】※
     アジアンとふ国籍わかぬ料理ありされどレシピは混血美人
【016: %】
    生存率何%かとも訊きあへずまだ知らされぬ悲惨の事実 (四川大震災)            
【017: 頭】
   頭のみ瓦礫の中に見えてをり未だ息ありや目さへ開かず (四川大震災)
【018: 集】
   集ひくる人ら埃にまみれゐて水を食をと鍋を差し出す (四川大震災)
【019: 豆腐】
     豆腐渣(とうふさ)は四川料理の渣
(かす)なれや手抜きの家屋食ふすべもなし
                                      (四川大震災)
【020: 鳩】 
    山崩れ街は瓦礫に埋もれゐて鳩群れ遊ぶ広場などなし (四川大震災)
【021:サッカー】
      みはるかす砂漠を前にちょこまかと子等蹴りてをりサッカーの球
                                 (モロッコにて)
【022: 低】 
    二つ玉の低気圧ブスッと串刺しにして列島は夏へ行くらし
【023: 用紙】
    投票の用紙書かずにくしやくしやと丸めて箱へ投棄してくる
【024: 岸】
    見えもせぬ向かうの岸をキと睨み龍馬立ちをり桂の浜に
【025: あられ】
     批判の声あめあられ浴ぶ政治家もやがては後期高齢者となる

【026: 基】
   この国にアメリカの基地まだありてあんぽんたんの兵士駐まる
【027: 消毒】
   廊下まで消毒液のにほひきて ゆまりの音す夜半の病棟
【028: 供】
   供ふなら安酒でよし生きてある今こそ越の寒梅を呉れ
【029: 杖】
   歌会に杖突いてくる老い人の歌みな若く空を翔けをり
【030: 湯気】
     叉焼がたつぷり乗つてうまさうな羅麺の湯気みえて喉鳴る
【031: 忍 】
    忍冬の蘂のゆらぎのかそけさを愛(かな)しと思ひて歩みとどめぬ
【032:ルージュ】
     寺の鐘聞きつつ下る異端者のわれ待ち受けるルージュの風車
                             (モンマルトルにて)
【033:すいか】
     ごみ箱に投げ入れやすいかなしみをきみは笑ひぬ「お天気屋ね」と
【034: 岡】         
    岡の辺に愁ひて発
(ほ)句を案じゐる蕪村の肩にさくらばなちる
【035: 過去】
     過去れば苦しきことは忘れ果つまなじりの皺深くなるのみ
【036: 船】
    高みより大船映画の盛衰を目守りて坐せる観音の笑み
【037: X】
    V字型に景気回復せしころは意気軒昂の若人なりし
【038: 有】
    憂愁のBlueこそわれにふさはし 有終の美なぞ来ると思はず
【039: 王子】
     若王子(にゃくわうじ)神社に若きプリンスは在
(おは)さず梛木の樹が立てるのみ
【040: 粘】
    粘り強く守りてチャンス待ちしのみわが過ぎこしの省エネゲーム
【041: 存在】
     それだけのただそれだけの存在と思ひぬ水と蛋白と骨
【042: 鱗】 
     背に負ひしやさしき鱗抜け落ちぬ顎の逆鱗なほも見ゆれど
【043:宝くじ】
      玻璃窓の箱に笑まひて宝くじ売るをみなあり金魚にも似る 
【044: 鈴】
    わが首に鈴をつけむと言ふひとと青水無月の夜に別れぬ
【045:楽譜】
    一頁めくれば次ぎのAppassionataまた見えてくるわが生
(よ)の楽譜
【046: 設】
    裏階段のぼりて暗きアパートに友描きをりし夢の設計
【047:ひまわり】
      あだ名してひまはりといふmixiの友あり会へば名よりやさしき 
【048: 凧】
    糸切れて宙(そら)に失せたる凧
(いかのぼり)夕つ茜にとけてゐるらむ
【049: 礼】
    きざはしに夕べの光とどまりて巡礼びとのあまた憩へる
【050: 確率】
    あと五年生くる確率数ふればわがこの想ひ捨てがたきかも

                             以下(その2)へ続く

タグ:題詠100首
posted by 素浪人Joe at 02:34| Comment(0) | TrackBack(0) | 題詠100首2008 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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