# 太田絢子師一周忌
亀ヶ谷(かめがやつ)坂の羊歯黄葉が美しい

亀ヶ谷の狭き間(あはひ)の上にみる空澄みわたり忌日近づく
山荘に向かひて登るわが肩に秋茜ひとつ留らむとする
問ひ給ふ「あなたは塩尻の人ですか?」訪(おとな)ひし日のお言葉を憶ふ
信濃には詩(うた)の心の故郷(さと)ありと答(いら)へむとして口ごもりたり
師の前に気障な言葉を言ふまじと思ひなほして顔赤らめぬ
# 山 鳩
この牡丹を下さった友人も昨年亡くなった。
ずぼらなボクはろくに手入れもしないけれども、
この牡丹今年も健気に咲いてくれた。
わが嘆きかくも深きと呟けばホホウサウカイと山鳩の声 ※
生命すべてよみがへりくる季(とき)にして亡友(とも)より給びし牡丹また咲く
楊貴妃の左の眉の月昇るあはれいのちの消ゆる朝(あした)に
掌に重き懐中時計の秒針はしづかに巡る過去を捨てつつ
泣き言をほろほろと言ふ癖つきぬ大方は妻の遺影に向けて
春から夏にかけて落ち込みが激しく2ヶ月欠詠してしまった。
選者の先生からハッパをかけられ
10〜11月号に各2か月分を掲載させて頂いた。
12月号の「探照燈」欄で※山鳩の歌に野中美佐子さんから次のやうな批評をいただいた。
《 身の内に深い哀しみを抱く作者は、愚痴を人には吐かず野に放つ。
「ホホウサウカイ」の山鳩の声はまるで母親のように悲しみを癒してくれる。
叙情的で深い歌 》
嬉しくありがたいけれども、《深い》と言はれると、なんだかくすぐったい思ひ…
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